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**ひとこと**
ここまで読んでいただきありがとうございました!楽しんでいってくださいね。

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前回の小田急線ダイヤ改正の記事の続きです。

まず、江ノ島線のダイヤ改正について、気になる変更点をピックアップ。

・朝ラッシュ時の急行を50%増発し、相模大野から快速急行に化ける急行を10分間隔で運転
ついに、優等から優等へ化ける化け急が誕生。それも10分おき!中央林間・南林間・大和の人には朗報です。

・朝ラッシュ時の各駅停車が25%減便
最初これ見たとき、目を疑いました。江ノ島線の各停を減便するという判断をした人は現場を全く理解できていないと思います。この絡みについては後述します。複々線化で便利になると思っていた東林間・鶴間・桜ヶ丘以南の全駅の人たちはさようなら。
この関係で、新宿寄り複線区間に同じく対日中の朝ラッシュ増発がなくなります。

・メトロ直通のロマンスカーが誕生
これは良いことだと思います。なお、運行時間的に江ノ島線の沿線民が恩恵を受けることはないようです。(東京・埼玉・千葉方面からの観光客特化ダイヤのため地元民にとって無価値)

・土休日日中に限り、藤沢~片瀬江ノ島間の運行本数が1.5倍
快速急行が江ノ島へ延長運転をするため、運行本数が1.5倍になります。



これらのことを総合的に勘案した際のダイヤについて申し上げますと、過去で一番悪いダイヤ改正ではないかと思います。昨日の記事では東京都民にうれしいダイヤ改正だと言いましたが、江ノ島線の地元民にとっては大半の駅で逆効果です。
このダイヤ改正が実行された場合に考えられる現象は以下の通り。

・朝ラッシュの有効本数の減少(東林間・鶴間・桜ヶ丘以南全駅)
現状では毎時8本の各停と毎時4本の急行が運転されており、トータルでは12本です。ダイヤ改正後はこのうちの各停2本が急行に昇格して6本ずつの12本となります。…が、現行ダイヤの各停は半分が大和で急行と接続するものとなっており、改正後の有効本数は変更となります。
※有効本数とは…乗車駅から降車駅まで、乗車駅で乗った列車から最速の方法で目的地を目指した場合に、目的地での到着パターンが何パターンあるか、というものです。途中駅で後続の優等に接続する場合、最初から優等列車に乗っていても結果が変わらないため、ダイヤ上は2本でも有効本数は1本ということになってしまいます。

江ノ島線の利用では、中央林間・相模大野から先を目指す利用が多いかと思われます。現行のダイヤでは急行が4本と、急行に接続しない各停の4本で合わせて毎時8本の有効本数があります。が、ダイヤ改正後は全列車大和で接続してしまうため各停はすべて死にスジとなり、江ノ島線の有効本数は毎時6本と現在よりも減少してしまうのです。


4年前にYoutubeで上げた江ノ島線の朝ラッシュの動画でも、混雑していたのは有効本数として数えられる急行に接続しない各停(動画内では5112列車)と急行(動画内では1512列車)で、急行に接続する各停はこのような混雑にはなっていませんでした。

この影響で、トータルでは毎時88両から毎時96両へ輸送力が上がったのにも関わらず、有効輸送力は毎時64両から毎時60両へ減少してしまうという謎現象です。なお、大和で接続するとの表記ですので、大和とそれより先の南林間・中央林間は有効本数は変わらず、急行の割合が増えているためプラスであるといえます。

せこいのは、急行が増えたことで便利になったという印象を与える広告の仕方をしている点です。本ダイヤ改正では藤沢市内は全駅が有効本数減少となり、得したのは大和市北部の急行停車駅だけです。大和市南部と東林間・鶴間では朝ラッシュの本数が25%減便されたことで不便なダイヤとなります。

更に、このダイヤ改正による悪影響はまだあります。

・ダイヤ乱れ時に藤沢がパンクする、江ノ島線北部で積み残しが常態化する
朝ラッシュにおいて10連が10分おきに来るにもかかわらず、藤沢は10連に限れば1線しかないためダイヤが乱れたときに簡単に容量オーバーになってしまいます。また、江ノ島線は5分遅延が起きただけで乗車率が200%以上に到達し積み残しが起こるような路線です。ダイヤが乱れると、藤沢の容量パンクの関係で優等列車はほぼ必ず運休となり、各駅停車のみになります。しかし、各駅停車は25%減便された毎時6本しかありません。 現状、毎時8本の各停のみになった場合でも積み残しを出している路線が、毎時6本の各停のみで捌けるわけがないので、江ノ島線は北部での積み残し常態化が確実だと思います。また、従来滅多になかった南部で積み残しを出すようになる可能性が十分に考えられます。

相模大野・藤沢の線路配置の関係上、増発が困難でかつ、線内に車庫がないので異常時の臨時列車も迅速に手配できないという江ノ島線の致命的欠陥は多額の投資をしないと解決する見込みがなく、当分小田急は無対策のままであると思われます。

・登戸に停車したことによる日中の速達性減少
ラッシュ時は遅くなるのは仕方のないことですが、登戸停車の影響で速達性の効果が薄れることになります。まずそもそも、遠近分離として生まれた種別がなぜ短距離利用がメインの駅に止める必要があるのか。江ノ島線民にとってはこれもマイナスとなります。

…さて、乗降客がわずか2.2万人の栗平に快速急行が止まったり、江ノ島線北部と比較して人口密度が半分程度の街を各停(準急含む)が毎時12本走るのに江ノ島線の各停は毎時6本だとか、江ノ島線の扱いの酷さ。


そして、このダイヤの面白いところはまだ続きます。競合区間についてです。小田急線では複数個所で競合区間があります。

多摩地区→都心部 (対 京王)
小田急は特急の取り上げ・千代田線直通全滅に対し、京王は相模原線特急復活・座席指定列車の運転など、京王が優勢のようです。…というより、競争から逃げ出したという方が正しいのかもしれません。

藤沢→新宿(対湘南新宿ライン)
始発列車の大幅減便(土休日)による座席確保性の低下、朝ラッシュ時の有効本数減少による競争力低下、日中は快急登戸停車による速達性の低下と、ほぼすべての時間帯で何かしらのマイナス要素がつく結果に。ここも競争から逃げ出したのでしょうか…?

小田原→新宿(対JR)
直通列車が25%減便され利便性が低下・快急の登戸停車による速達性低下。この付近の人口を考えると仕方のないことだと思いますが、競争力は低下するようです。

小田原→開成(対伊豆箱根鉄道)
各駅停車が25%減便され利便性が低下します。駅数や本数を考えると、大手私鉄にも関わらず中小私鉄に完敗ではないかと思われます。

大和駅を除く江ノ島線内南林間以南→海老名(対相鉄)
有効本数の減少・各停の減便による多くの駅の利便性低下に対し、相鉄は特急を新設したり増発したりと、利便性の向上に努めています。この区間であれば基本的に小田急経由の方が安くなりますので、現状は小田急の利用者が多いです。(大和駅で降りる場合は、接続待ちがないので有効本数は減りません)

思いつく限りの競合区間では、すべての区間で競争から逃げ出す形となっています。今回のダイヤ改正で得するのは伊勢原以北の小田原線沿線、特に複々線区間であり東京都民が最も優遇され、そのおこぼれを伊勢原までの沿線が受けるという形になりました。

そのため、多摩線・江ノ島線・小田原線末端部は完全に見捨てられた形となり、かなり不公平感の強いダイヤになってしまったと感じます。また、かなり優等に寄ったダイヤとなり、通過駅と停車駅での格差が異常に大きなものとなってしまいました。観光客に特化した面も強く感じられ、地域利用は無視した京急型(或はJR西日本型)のダイヤだと思います。

複々線の距離・観光的立場から考えると小田原線は東武型、沿線の人口密度や利用形態、路線事情から江ノ島線は東急型、多摩線は競合の意味で京王型のダイヤを採用すべきだと思うのですが…。
特に多摩線は「大手町まで1本」で住居を売り込んでいただけあって、かなり悲惨だと思います。
都心回帰と、小田原線万歳の体制が見えたダイヤ改正でした。

個人的には都心部毎時27本とかはうれしいですが、前回のダイヤ改正は「光と影がある」というような表現をしたのに対し、今回は影というより少量の光を目立たせるための闇ばかりなイメージです。広告は非常にうまくアピールしていると思いますが、実際の利用状況がどうなるかは未知数です。「競争力が向上」とニュースはどこも報じていますが、少なくとも私はそうは思っていないです。